転職活動を始めて早一年。転職サイトやハローワークで求人を見つけては応募する毎日を過ごしている。
そう簡単に希望の求人が見つかることもないし、見つかって応募しても面接に進めるのは僅かで、さらに面接しても内定が貰えることは無い。
新しい求人は毎日のように掲載されているので「選ばなければ良い」と思うかもしれないが、20代ならまだしも30代になると経験を求められることが多いので、必然的に「以前にやったことのある仕事」を見つけなければならない。
「できる仕事」と「やりたい仕事」が同一であれば苦労はしない。社内SEを希望しているがプログラマーやシステムエンジニアの経歴が長いので、どうしてもそちらの仕事に向きがちになる。
社内SEの求人に応募し面接に行っても、最終的に「プログラマー／システムエンジニアで採用」と言うことがある。求人を出しても応募者が少ない（居ない）からなのかは良くわからないが意外にも多い。システム開発業は「ITエンジニアを派遣する」と言うだけでも成り立つので、表向きは異業種でも「実はシステム開発業もやってます」みたいな感じだ。
そんなニセ求人に騙され毎日を過ごしていたある日、「面接にきてください」とのメールが届いた。ちょうど別の面接に向かうところだったので帰ってから返事をしようとしたところ、もう1通のメールが届いていた。「お返事が無いので今回は残念ですが…」と目を疑うようなお祈りメールだった。メールの受信時間を確認したところ最初のメールから5分と経っていなかった。
この会社は小売業の大手で比較的に名の知られた会社なのでダメ元ではあったが応募した。2週間たっても返事が無いので「ダメだったか」と思い諦めたら1ヶ月後に来た返事が最初のメールだ。それから5分も待たずに返事が無いからとお祈りメールを貰った。残念と言う気持ちもあったが何だかホッとした自分も居た。
ちなみに、不買を決めたことは言うまでも無い。