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【不思議】祖父母の家で寝て起きたら実家にいた

連続でオカルト的な話を投稿したので、有給休暇で持て余した暇をつぶすべく、小学生の頃に夏休みを利用して母方の田舎に一人で遊びに行った時の話をしようと思う。我が家では毎年お盆に訪れるのだが、この年は一人で行ってみたいと思い計画を立てた。

実家から祖父母の家までは電車を何度か乗り換えれば到着するので難しいことは無いのだが、家でゲームばかりしていたインドア派の私が一人で出かけるなど親も祖父母もヤキモキしたのかもしれない。

当日は早朝に家を出て、電車を乗り継いで最寄り駅まで問題なく到着した。ただ、最寄り駅から祖父母の家までは徒歩で30分程度かかる。親と訪れるときはタクシーを使っていたが、小学生の私にタクシーを使うのは難しかったので徒歩で移動するしかなかった。駅前の繁華街は目印がたくさんあるので苦労しないが、繁華街を抜けて住宅街に入ると難易度が上がる。右往左往しつつも到着すると祖父母が家の前で待っていてくれた。

家に入ると祖父母が用意したジュースやお菓子を食べながらのんびりしていた。しばらくすると従弟(いとこ)も来たので一緒に遊ぶことにした。この辺では夏になると近所の施設でプールが解放されるので一緒に遊びに行ったり、家の庭でキャッチボール、家の中のコースでミニ四駆を走らせたりと小学生らしい夏休みを楽しんだ。

夜になると祖父母が用意した夕食を食べ風呂に入り寝ることにした。従弟(いとこ)は近くに住んでいるので帰ろうと思えば帰れるのだが、せっかく来たのだからと言うことで一緒に寝ることにした。一日中遊んで疲れたのだろう、布団に入るとすぐに寝てしまい目が覚めると見慣れた天井があった。

私は自宅に戻っていた。

夢か現実か混乱しながら部屋を出ると母が台所で朝食を作っていた。「大丈夫か?」と言われた私は訳がかわらず困っていると驚いたように「覚えていないのか?」と続ける。ここからは私の記憶では無く両親や祖父母から聞いた話だ。

祖父母の家で寝た私は深夜に突然泣き出した。祖父母や伯父がなだめてくれたが、どうにも泣き止まない。いわゆるホームシックかと思われたが、祖父母の家に泊まることなど過去に何度もあったし今までに泣き出したことなど無かったので、「何かがおかしい」と言うことで伯父が車で自宅まで送ってくれた。自宅に着いた私は泣き止み、そのまま自室に入って寝たらしい。

私にはまったく記憶がなかった。泣き出したことも車に乗って自宅まで送ってもらったことも何一つ記憶にない。記憶にあるのは、前日の早朝に家を出て祖父母の家に行き従弟(いとこ)と遊んで食事と風呂の後に寝たことだけだ。

戸惑っている私に母はもう一つの事実を告げた。父方の祖父が夜遅く亡くなったらしい。祖父は長いこと通院や入退院を繰り返しており長くは無いことは知らされていたが、突然のことで昨晩のことは気もそぞろに準備に追われた。

通夜や葬儀も一段落し落ち着くと、あの夜の話は親戚にも知れ渡っており、タイミングもあってか「虫の知らせ」かと話題になった。どちらかと言えば好意的に捉えられていたが母は違っていた。通夜や葬儀の間は私を近くに置き、可能な限り私の手や体を掴んで離さなかった。当時は不思議にも思わなかったが、当時を思い出して聞いてみたところ思いを語ってくれた。

「連れていかれるかと思った」