オカルト好きであればインターネット上の『霧島駅』と言う話を見聞きしたことがあるかもしれない。会社を退職するにあたり有給休暇の消化でまとまった休みがあったので、興味本位で舞台となった場所に足を運んでみた。
『きさらぎ駅』を筆頭に『〇〇駅』と言う話がインターネット上にはある。多くの場合で異世界のような場所にたどり着きその様子を語っている。中でも『霧島駅』と言うのは具体的な地名や駅名が登場しており、少し遠くはあるが自身の行動範囲内であったため行ってみたくなった。
まず最初に、投稿者と同じルートを辿ってみることにした。とは言っても投稿者は終電に乗っており同じ時間に乗車すると帰りが困るので時間だけは異なる。投稿者の話ではA駅からB駅の間に『霧島駅』があると言う話であったが、何の問題も無くB駅に到着した。車内で録画・録音もしてみたが特に不思議なことは記録されていなかった。そもそも時間が異なるので予想通りではあるし、最終の目的は違うところにある。
この話は、本編もさることながら周囲の考察も面白い。特に霧島駅と思われる場所には神社があり「何らかの関係があるのでは?」と話題になっていた。このため、B駅に到着した私は、A駅まで戻るように話題の神社に行ってみることにした。この神社はA駅とB駅の中間あたりにあり、Googleマップなどで経路検索してみるとB駅から約4Kmの位置にある。徒歩で移動すると遅くとも1時間程度の距離だ。歩くのは特に苦では無かったので歩いて向かった。
この話を「不思議」にカテゴライズしたのはここからだ。
神社に向かっている道中、最初は晴れていたが徐々に曇り空になり雨が降ってきた。天気予報では晴天だったので決行したわけだが、雨が降るのは聞いていないと思い折りたたみ傘をさしながら足早に目的地へ向かった。だが、目的地に近づけば近づくほど雨風が強まり、ついには傘をさしていられないほどになった。さすがに踵を返し来た道を戻ると雨風は収まり晴れ間が広がった。
「晴れたのなら」と再び向かうと、また雨風が襲ってくる。まるで「近づくな」と言わんばかりに。「そんなバカな話があるか」と意地になって目的地に向かった。神社に到着してみると雨風は収まったが、真夏の昼間にも関わらず周囲は薄暗くひんやりとしていた。神社は階段の途中に鳥居があり、さらに上ると1つの建物があるのみである。特に変わったことも無いので、結局は道中の雨風が話のピークではあったが、真夏に突然雨が降ってくることなど珍しくもない。そのため、ただの「日帰り旅行」または「散歩」となってしまった。
ただ、道中に何枚か写真を撮っておりパソコンに保存していたはずだが、後半の雨風が降ってきた後の写真が一切残っていないのが謎である。